InterFMラジオ番組「Daisy Holiday」(毎週日曜25:30-26:00)の2019/8/4(日)放送回にて。
細野晴臣と小山田圭吾のラジオトークが行われていた。
インタビュアー:でもなんか、小山田さんは芸能生活何年目ですか?
細野晴臣&小山田圭吾:(笑)
小山田圭吾:芸能生活?(笑)あっ、30周年だ。
インタビュアー:30周年。芸能生活と言うと失礼ですかね(笑)
細野晴臣:全然芸能人って意識ないもんね。
小山田圭吾:ないっすね(笑)
インタビュアー:芸能人ではないですよね。失礼しました。
細野さんと同じあと20年後のキャリアのときには、小山田さんは何やってると思います?ご自分で。
細野晴臣:(笑)
小山田圭吾:いやぁ~。全然分かんないですけどね。
でも多分、細野さんとその出会った頃っていうか、スケッチ・ショウ、細野さんがやってたって多分50歳前後だったような感じなんですよね、多分。多分、52、53歳ぐらいなのかな。
インタビュアー:今の小山田さんよりもうちょっと上だったっていう、
小山田圭吾:ちょっと上ぐらいだった感じなんですよね。
それ考えると本当驚きますね。
インタビュアー:そうですね。そうですよね(笑)
小山田圭吾:そこから細野さんもね、スケッチ・ショウやってて、そこからアコースティックっていうか、生っぽいほうに変わりましたし。で、そこからまたね、こないだ「HOCHONO HOUSE」みたいな一人で完全に作るみたいなところにも行ってるんで、やっぱすごいいろいろ変化されてるから・・。
インタビュアー:分かんないってことですね(笑)
細野晴臣&小山田圭吾:(笑)
細野晴臣:そうだね(笑)分かんないよ。本当、計画してないからね。
小山田圭吾:計画できないですよね。
インタビュアー:でも、前にやったこととなるべく違うことをやりたいっていうお考えは細野さんの中にあるんではないですか?
細野晴臣:それもあるし、おんなじこともやりたいし。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
インタビュアー:それも決めてらっしゃらないという。
細野晴臣:えぇ。
インタビュアー:でも、あのそういうふうにね、こう、ようやく最初の話に戻ると、細野さんのかつての作品がようやく国際的にまっとうに評価され、ここ数年でされたっていうのはすごくいいことですよね。それは。
そう、だから、それはすごくポジティブな話で。
細野晴臣:まだね、自分ではね、理解してないんですよ。ちゃんとこう受け止めきれないっていうか。
なんで?って思うことが多いんですよ。
インタビュアー:中古盤屋に行けばすぐ一発で分かりますよ。
細野晴臣:そうなのか。行かないから。
小山田圭吾:みんな、細野さんのレコード探してるよね。
インタビュアー:Hのコーナーからみんな(笑)
細野晴臣:あっ、そうなの?
インタビュアー:だから常にないんですよね。ディスクユニオン行っても。
細野晴臣:そうなんだ。あんま自覚がないっていうかな。あの、ヴァンパイア・ウィークエンドが、
小山田圭吾:あぁ、サンプリングしてましね。
細野晴臣:そのときに、「なんで?」と思ったんですね。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
小山田圭吾:しかも相当探さないと出てこないような曲で。カセットでしたっけ?あれって。
細野晴臣:カセットで出てたよね。
インタビュアー:どうやって手に入れたんだろう。
小山田圭吾:まぁ、YouTubeですよね。
細野晴臣:うん。YouTubeでみんな見てるよね。
で、一応打診があったんだよね。あれ。あの、やる前に。「いいよ」って言って。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
小山田圭吾:でもあれぐらいの世代の、あの海外のミュージシャン何人かやって、MGMTとか、マック・デマルコもそうだし、まぁ会うとやっぱりみんな「細野さん、細野さん」言ってって。しかも相当マニアックなものを知ってるんですよね。
だから、やっぱりその、
インタビュアー:ちょっと違いますよね。昔とね。
細野晴臣:そう、マック・デマルコは不思議な存在だね。僕から見ると。
何でHoney Moon日本語でやってるんだろうって。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
インタビュアー:マック・デマルコ最近になって新しいアルバム出したんですけど、そのレビューが海外の音楽サイトに載ってって、「最初から細野チルドレンである」って。もうバレてましたからね(笑)
細野晴臣:細野チルドレン、アメリカ人にいるんだ。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
インタビュアー:国境をまたいでチルドレン。
細野晴臣:なんかまだ分かんない。理解が及ばないところがありますよね。
インタビュアー:ご実感してほしいなとは思いますけども。
細野晴臣:えぇ。
インタビュアー:なんか細野さんが30年代から50年代の音楽に感じるエッセンスみたいなものを、細野さんの音楽に感じてるより下の世代がおそらくいるんではないかなって気がします。
細野晴臣:時々ね、あのー、ラジオやってて、そういう音楽ばっかりず~っとやってますから。古いのばっかりかけて。
世界でここでしか聴けないだろうってのもかけたりするんですよ。岡田くんのおかげでね。
そういうの聴いてるのは若い女の子が「聴いてます」って言うんですよ。
「おかげで古い音楽を聞き始めました」っていうから、それはあの、嬉しいなと思いましたね。
なんかこう、なるべくみんなにそういうこと知ってほしいと思って実はやっているところがあるんで。
たとえば、ブギブギなんかも僕が4,5歳の頃聴いてじっとしてられない音楽だったんですよ。
で、今の若い、若いっていって子供がね、ライブ観に来て真剣な目つきで踊ってんですよ。
これはもうトランス状態ですね。ブギブギを聴いてね。
それ見て、「あっ、やってて大丈夫だ」と思ったんですよね。
子供すごく大事なんですよね。
インタビュアー:あぁ~、なるほど。
そういう普遍的な部分とやっぱりこう継承していく部分みたいな。
細野晴臣:それはなんかね、うん。まぁ10年ぐらいやってますから、ある程度はみんな分かってもらってると思うんですけどね。
誰かがやり始めたらそれはそれでいいなと思いますね。
インタビュアー:今回、POINTも、十何年振りですか。2001年だから18年ぶりなんですよ。18年前の作品なんですよ。
だから、その年に生まれた子が今もう18歳。
細野晴臣:そうだ。
小山田圭吾:あ、うちの息子がだからその年に生まれたんですよ。
細野晴臣:米呂君(※小山田米呂。小山田圭吾の息子)、ある程度指標になるっていうか、物差しになる。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
小山田圭吾:そういえばそうだ。
だから、うちの息子も今、細野さんの音楽本当夢中だし、ゆうた君って細野さんのお孫さんも今バリバリベース弾いてて。
細野晴臣:そうなんです。えぇ。
インタビュアー:ベース教えたりするんですか?
細野晴臣:いやいや。一切話したことない。勝手にやってる。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
小山田圭吾:でもなんかそういう子どもたちに伝わるのって、まぁ本当に余計な情報とかもなく、もう本質的に伝わるじゃないですか。さっきのブギブギで踊ってる子供とかって。
海外の人とかもそういう余計な情報とかなしに、パッて音楽聴いてイイっていうことだから、それがやっぱ一番。うん。
細野晴臣:音楽ってそういうもんだもんね、もともと。
最初の1小節聴いて興奮するんだから(笑)
小山田圭吾:まぁ日本で普通に聴いてる、日本の世の中にいると、やっぱ細野さんというといろんなイメージとか、多分前の情報ってすごい入ってきちゃうじゃないですか。
だからやっぱりそういう海外の人とか子供とかに伝わるのは、なんか本質的に伝わってる感じがやっぱしますよね。うん。
細野晴臣:あぁ、そういうことだね。
インタビュアー:でも、逆にね、POINTだってもうそういう意味ではかなり経つわけだから、この再発を機に新しいリスナーは聴くと思いますよ。
(※Corneliusが2001年にリリースした4thアルバム「POINT」のリマスター盤が2019年7月31日に発売された)
細野晴臣:聴くね。それは。
小山田圭吾:だといいですね。
インタビュアー:まぁでも健全な伝わり方が意外と今の世の中できるようになってるという。
小山田圭吾:そういうこともありますけどね。
細野晴臣:そうだそうだ。
インタビュアー:そんな感じというところですよね。
細野晴臣:めでたしめでたし。良かった。
小山田圭吾&インタビュアー:(笑)
インタビュアー:ありがとうございました。
細野晴臣:ありがとうございました。
小山田圭吾:どうもありがとうございました。